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2017-8-1 オーナー(法人・個人)が必ず知っておくべきトラブル回避術(改正個人情報保護法編①)[全3回]

M&P Legal Note 2017 No.8-1

オーナー(法人・個人)が必ず知っておくべきトラブル回避術(改正個人情報保護法編①)[全3回]

2017 年9月19日 松田綜合法律事務所 弁護士 菅原清暁

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第1章 個人情報保護法改正の影響

平成27年9月9日「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」といいます。)の改正法が公布され、平成29年5月30日に全面施行されます。
この個人情報保護法の改正により、個人情報データベース等をその事業活動に利用しているすべての者が、「個人情報取扱事業者」として、個人情報保護法上の義務を負うことになりました。
例として、マンション一棟を複数のテナントに賃貸しているオーナーはもちろんのこと、マンション1室のみを賃貸している個人オーナーであったとしても、事業として行っており、かつ、借主の情報を個人データ[i]として管理している場合には、個人情報保護法上の義務を負うことになります。

第2章 個人情報保護法違反の罰則

個人情報保護法上、違反者に対しては主務大臣による注意勧告や命令が行われ、その後も違反行為が続けば、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」という刑事罰が課されます。この罰則はあくまでも改正個人情報保護法における罰則規定に過ぎませんので、別途、情報の主体である個人との間で、民事上の責任を問われる可能性もあります。

第3章 不動産のオーナーだからこそ求められる個人情報の適正管理

個人情報は、個人借主の住所や氏名などの情報だけに限られるものではありません。
法人借主の担当者の氏名やメールアドレスなども含まれます。その意味で、入居申込書に記載されている情報、審査のために受領した書類記載の情報、さらには、テナントの担当者から受領した名刺に記載されている情報ですら、適切に管理する必要があります。
しかも、借主から受領した情報には、氏名、住所、電話番号にとどまらず、個人借主の家族構成、同居人、収入など、機密性の高い情報も含まれます。
このような多数の個人情報を受領する場合もある不動産オーナーにとって、個人情報保護法の要請する情報管理の実施は、極めて身近で重要な課題であるといえます。
顧客から受領した書類の保管方法、職員による情報持ち出し防止策、第三者と情報を共有する場合の運用方法など、法令に抵触している業務フローがないかを直ちに確認し、後記トラブルが発生する前に、必要な対策を講じておくべきでしょう。

第4章 個人情報保護法の問題は、不動産トラブルとしてどのように顕在化するか

個人情報保護法違反の問題が顕在化する場面は様々ですが、一つは情報漏洩時です。
個人情報の流出は、大量の個人情報を扱う大企業だけの問題ではありません。サイバー犯罪が横行している現代においては、セキュリティシステムに相当の費用を費やしていない限り、一般的な認識以上に簡単にPCから情報が流出します(なお、この点は、機会があれば一度情報セキュリティ診断をされることを強くお勧めします)。
その他に、メールの誤送信、書類の取違え、書類のひな形を使い回したときの前データの修正漏れ、名刺の紛失など、人為的なミスによっても個人情報流出の問題は引き起こされます。
そして、ひとたび情報漏洩が起これば、借主などから損害賠償請求や謝罪を求められるほか、社会的信用を一瞬で失うリスクがあることから、個人情報保護法において要請されている義務を軽視すべきではありません。
さらに、トラブルに発展したケースとしては、賃料を遅滞していた借主が、個人情報が不適切に取り扱われていたことを理由に慰謝料として賃料の一部減額を求めてくる事案や、滞納賃料を理由に建物の明渡しを求められた借主が逆恨みし、個人情報保護法違反の有無を細かく調べあげ、嫌がらせとして監督官庁に注意勧告や命令を求めた事案すらありました。
トラブルが発生しやすい不動産業界においては、別の問題でトラブルが発生した際に、個人情報保護に関わる問題で弱みを握られることのないように、個人情報保護について適切な管理・運用をしておくべきであると考えます。
個人情報保護に係るリスクを正確に把握することこそ、重要なポイントといえます。
次回以降の記事では、実際に深刻なトラブルに発展した相談事例をもとに、個人情報保護法の概要、不動産オーナーが直ちに対応しておくべきポイントなどについて詳しくご紹介します。

 

[i] 個人データとは、個人情報を検索できるように体系的に構成したものに含まれる個人情報をいいます。 一例としては、借主個人情報が記載されている書類を1枚保有しているだけではこれに該当しませんが、 PC などに借主情報を入力して管理したり、50音順や年月日順に整理し、インデックスを付すなどして書 類を検索可能な状態にしていたりする場合はこれに該当します

 


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弁護士 菅原 清暁
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この記事に記載されている情報は、依頼者及び関係当事者のための一般的な情報として作成されたものであり、教養及び参考情報の提供のみを目的とします。いかなる場合も当該情報について法律アドバイスとして依拠し又はそのように解釈されないよう、また、個別な事実関係に基づく具体的な法律アドバイスなしに行為されないようご留意下さい。

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